ローヤルゼリーとその抗菌作用についてですが、ローヤルゼリーは人間に対する栄養かつ生理作用の面より、価値ある食品として知られてきました。最近では健康ブームとともに、その消費量は増大しています。ローヤルゼリーの化学成分に関する報告によると、ローヤルゼリー中にはタンパク質や脂質が多く含まれるため、変質しやすいと考えられていますが、実際には品質において安定です。ところで、ローヤルゼリーの抗菌作用に関する報告は、すでになされているものの、その定量的な報告はほとんどないのが現状です。そこで本研究では、ローヤルゼリーの抗菌作用を定量的に調査し、さらに、ローヤルゼリー中の活性あるフラクションや物質について調べました。また、ローヤルゼリーで活性ある主要な脂肪酸の1つである10-ヒドロキシデセン酸の抗菌力と、他の脂肪酸の抗菌力の比較を行いました。さらに、各種脂肪酸の活性と、その化学構造との関連を考察し、また、貯蔵中に起こった抗菌活性の変化が、ローヤルゼリー中の物理化学的変化と、いかに関連しているかを調査しました。試料としてセイヨウミツバチから集められたローヤルゼリー、これは日本の岩手県産です。王台から集められたローヤルゼリーはただちに凍結され、フリーザー中で-40℃に保存。次に試験菌ならびに培養は
B.subtilis Marburg 168,S.aursusFAD 290PならびにE.coli W3110をローヤルゼリーならびに各種脂肪酸の抗菌活性定量のために使用しました。培養菌は、寒天斜面培養より1白金耳10mlの普通ブイヨン培地に接種し、37℃でひと晩、振とう培養しました。抗菌活性の測定には試料として、ローヤルゼリーから分画したフラクションは、エーテル抽出物、エーテル不溶物、ペプチド区分、透析内液区分です。新鮮ローヤルゼリーならびに貯蔵したローヤルゼリーと、エーテル不溶区分、ペプチドおよび透析内液区分は、それぞれ蒸留水で一定濃度に希釈しました。抗菌活性の測定ですが、これはペーパーデスク法を用いました。それぞれの試料はクロラムフェニコールの力価に換算してあります。次に貯蔵試験についてです。貯蔵条件としてローヤルゼリーは5℃、温室37℃の各種の温度条件で、密閉容器中で貯蔵しました。温室で貯蔵したローヤルゼリーは、明所および暗所に分けて貯蔵し、37℃においては、脱気したものと脱気しないもの2種類の貯蔵を行いました。抗菌活性の測定法ですが、ローヤルゼリーは、上記の各貯蔵条件下で貯蔵し、生ローヤルゼリーから分画されたエーテル可溶区分、およびエーテル不溶区分の抗菌活性もそれぞれ調査しました。貯蔵中の抗菌活性の変化は、新鮮物の活性当たりの百分率で表示しました。粘度の測定については100日間、各種条件下で貯蔵したローヤルゼリーの粘度は、コーンプレート型粘度計により求めました。そして濾過ですが一定期間貯蔵したローヤルゼリーを脱脂してゲル濾過を行いました。ゲル濾過は、5℃の蒸留水で平衝化したセルロファインGC-700-mカラム(1.5X78cm)を使用して行いました。ここからは結果並びに考察です。1.生ローヤルゼリーならびにローヤルゼリーから分画したそれぞれの区分の抗菌力それぞれの試料のB.subtilisに対する抗菌活性は、S.aureusに対する値とほぼ同じである。エーテル抽出物区分の抗菌活性は、生ローヤルゼリーやエーテル不溶物区分のそれよりやや強かった。ペプチド区分や透析内液区分にも強い抗菌活性が認められた。2.10-ヒドロキシデセン酸および他の脂肪酸の抗菌力、つまり1g当たりの短い鎖の脂肪酸の抗菌活性は、調査した3つの細菌に対して、炭素数6の脂肪酸が今回調査した脂肪酸の中で最も強かった。さらに、10-ヒドロキシデセン酸の抗菌活性は、他の炭素数10の脂肪酸のそれよりも強かった。それぞれの脂肪酸をアルカリ溶液でpH7に中和したところ、短い鎖の脂肪酸の抗菌活性は、調査したどの細菌に対しても全く活性を示さなかった。また、炭素数10の脂肪酸はpHを調整していない試料と比較するといくらか低下した。3.貯蔵試験1)ローヤルゼリー貯蔵中の抗菌活性の変化、生ローヤルゼリーおよびローヤルゼリーのエーテル可溶物区分の抗菌活性は、ローヤルゼリーが高い温度条件下で貯蔵されると、急速に低下した。エーテル不溶物区分の抗菌活性は、温室約37℃における条件においては、30~40日以内に完全に消失した。2)貯蔵中ローヤルゼリータンパク質のクロマトグラム変化、各種貯蔵条件下貯蔵されたローヤルゼリー中のタンパク質の変性を調査するため、ゲル濾過を行った。ローヤルゼリーの貯蔵中のクロマトグラムにより、分子量の増大が起こっていることが示唆された。さらに、貯蔵中におけるタンパク質の不溶化が、タンパク質のコンホメーション変化に関係しているように思われた。3)貯蔵中ローヤルゼリーの粘度変化、高温条件および明所に貯蔵されたローヤルゼリーのShear stressは、低温条件および暗所に貯蔵されたそれよりも明らかに増大していた。以上の結果より、貯蔵中の粘度の変化は、ローヤルゼリー中のタンパク質の変化による構造変化のためであると示唆されます。さらに、この粘度変化は、日光や高温貯蔵により加速されます。従って、ローヤルゼリー中の抗菌活性の減少は、ローヤルゼリー中のタンパクの不溶化と密接に関連していると思われます。なぜなら、タンパク質の不溶化によって、ローヤルゼリー中の活性物質が抗菌活性測定用の寒天培地上を拡散できないため減少した、と考えられるからです。
Top > ローヤルゼリーとは > ローヤルゼリーの抗菌作用
スポンサードリンク
ローヤルゼリーの抗菌作用
< 前の記事 ローヤルゼリー商品の選び方 | トップページ | 次の記事 喘息、その世界における発症頻度 >
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://gakizaru8.que.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/701
